「Instagramのリール動画をもっと手軽に編集したい」「もっと魅力的にするために分析したい」と感じたことはありませんか?
そんなニーズに応えるのが、Instagramが開発・提供する動画編集アプリ「Edits(エディッツ)」です。Metaが2025年4月にリリースし、直感的な操作・高度な編集・トレンド調査・インサイト分析など、これまで別ツールに分かれていた機能を一元化したアプリです。
本記事では、Editsの特徴や基本的な使い方から、ビジネス活用での注意点、SNSマーケティングでの効果的な活用方法まで、実際に使ってみた体験を交えて解説します。
Edits(エディッツ)とは?
Edits(エディッツ)とは、Metaが2025年4月22日(米国時間)にリリースした動画編集アプリ。
Editsは、InstagramやFacebookだけでなく、「どんなプラットフォームにおいてもクリエイターが自由に自分を表現できるクリエイティブツール」を目指しています。
Instagramと連携し、保存機能やトレンドの調査ができるほか、Instagramリールのインサイト分析を詳しく確認することができるのが特徴です。
参考:新しい動画作成アプリ、「Edits(エディッツ)」をローンチ
Editsの特徴とできること・機能まとめ
Editsについて、@creatorsアカウントで紹介がありました。機能のポイントを日本語で解説します。
- アイデアをまとめることができる機能
- インスピレーションやアイデアを得るためにリール視聴できる
- トレンドオーディオを見つけたり保存できる
- 音楽ライブラリ、カウントダウン、タイマーが利用できる
- 複数プロジェクトを一括管理できる
- 背景を置き換えるグリーンスクリーン機能
- 自動キャプション字幕機能
なお、@creatorsアカウントではEditsのみならず、Instagramの新機能やアルゴリズムについての質疑応答などさまざまなコンテンツが配信されています。Instagram運用担当者はフォローしておくとよいでしょう。
参考:@creators
【基本操作】Editsの使い方|利用開始〜編集投稿
完成度の高い動画をスマートフォンで作成できるInstagramの新しい動画作成アプリ「Edits」。利用開始方法や使い方をご紹介します。利用開始は2ステップで完了します。
利用開始方法1:Editsをダウンロード
まずはEditsのアプリをダウンロードします。
iOS版:https://apps.apple.com/us/app/edits-an-instagram-app/id6738967378
Android版:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.instagram.basel
利用開始方法2:Instagramと連携させる
Editsを使用する際はInstagramと連携させる必要があります。アプリからInstagramにログインしましょう。
Instagtamにログイン状態の場合は右側の図のように、連携された状態になっているのでタップするだけで利用開始できます。
利用開始すると「Editsのしくみ」が表示されます。そのまま閉じてしまった、という方向けに記載しておきます。
Editsのしくみ(原文):
- Instagramによる提供
EditsアプリはInstagramの一部です。EditsとInstagramであなたの情報は、EditsとInstagramでの広告や他の利用体験のパーソナライズに使用されます。 - あなたのデータ
Editsアプリに参加することで、Instagram利用規約に同意し、また、Metaプライバシーポリシーを読んだことを確認するものとします。
つまり、記載されているのは以下。
①Editsの利用情報はInstagramやEditsのアルゴリズム(広告や他の利用体験)に作用すること
②Instagramの一部であるから、Instagramの利用規約やMetaプライバシーポリシーと同じものが適応されること
Editsを利用しようとする場合、すでにInstagramを活用している場合がほとんどでしょうから、そのまま利用開始して問題ありません。
Instagramアプリ「設定とアクティビティ>その他のMeta製アプリ」からEditsを利用開始することもできます。
Editsの使い方:プロジェクト
Editsを開くと、「プロジェクト」が表示されます。図の左側はEditsの使用イメージ、右側はアプリをダウンロードしてすぐの状態です。初期状態ではなにも表示されておらず、右下の「+」ボタンからプロジェクトを作成することができます。
複数のプロジェクトを1か所で整理・管理できるのがEditsの特徴です。作業を中断した場合でも、中断したところから簡単に再開できます。プロジェクトは画面下に表示されるメニューのうち中央にある、四角が4つ並んだマークを押すと表示されます。
Editsの使い方:10分までの撮影
Editsでは、最長10分間撮影することができます。高画質で公開できるのが特徴です。タッチアップやGreen Screen、音楽カタログ、タイマー、カウントダウンなど、リール動画作成用の人気機能を直感的に使うことができます。
初期段階ではカメラとマイクへのアクセスが許可されていないので図の真ん中のような表示が出てきます。設定>Editsの設定で必要な項目をONにしましょう。カメラ・マイクがONになっていない場合は利用できません。
下部のメニューでは右から2番目の二重丸のような見た目の録画アイコンが撮影機能となっています。
Editsの使い方:編集・投稿
Editsはその名の通り動画編集アプリです。We Love Social編集部の検証によると、これまでInstagram上でリールの編集をするよりもはるかに使いやすくなっている様子が伺えます。クリップの配置と調整を細かく行えることに加え、効果音やトランジションのエフェクト、AIアニメーション、自動キャプション機能などが活用できます。
右上の「エクスポート」を押すと、カメラロールへの透かしのない高画質動画のダウンロードとInstagram/Facebookへのシェアが選べます。
さまざまな機能の中でも、We Love Social編集部が注目したいのは「自動キャプション機能」。
音声を入れてみると高い精度で文字起こしができている様子でした。
さらに、Edits公式サイトによると「複数言語に対応している自動キャプション機能を使って、情報の補足や動画のバリアフリー化が可能」とのこと。日本語による解説が多言語でも展開されると、より多くのユーザーにアカウントをみてもらうことができるようになりそうです。
Editsの使い方:アイデア付箋とインスピレーション
Editsはただの動画編集アプリではなく、アイデアを付箋にまとめたり、他のクリエイターリールからインスピレーションを得ることもできるのが特徴です。下部のメニュー1番左の付箋やメモのようなマークアイコンが「Ideas」、左から2番目の再生マークのような三角アイコンが「インスピレーション」となっています。
Ideas:
- ステッカー(付箋)を追加 ※色は変更可能
- Instagramで保存したリールの確認
- Instagramで保存し、コレクション分けしたリールの確認(フォルダ分けのような機能。Instagramで利用可能)
インスピレーション:
- トレンド音源を利用したおすすめ動画が表示
- 保存やステッカーの利用ができる
- インスピレーションで保存やステッカーをつけたものはIdeasから確認できる
Editsの機能:インサイト分析
Editsは、Instagramリール分析に特化したアプリでもあります。特筆すべきは、リテンションとスキップ率。これまでInstagramアプリのインサイトからは確認できなかった分析指標データです。これによって、より良いコンテンツ戦略を立てていくことができそうです。
リテンションとは:リテンション曲線は、動画再生中の各瞬間における合計オーディエンス維持率を示します。(解説/Editsアプリより)
Instagramの他の分析指標もおさらいしたい、という方は以下のまとめ記事もご確認ください。
参考記事:Instagramインサイトの分析・解析方法を徹底解説-リーチ、インプレッション、エンゲージメントの活用法
SNSマーケティングにおけるEditsの活用のポイント
ここまで、Instagramがリリースした「Edits」アプリについて説明してきました。企業がビジネスでEditsを活用するポイントをまとめておきます。
①ステッカー・付箋機能を活用
Editsならではの機能であるステッカーやリール保存機能を活用しましょう。他のクリエイターのアイデアをメモして、アレンジしたり、気になる点を書き留めておくと、新しい動画の制作に役立ちます。
②トレンド対応:インスピレーションタブ
インスピレーションもぜひ活用したいところです。このタブではトレンドに対応した動画作成のインスピレーションが得られそうなリールが表示されています。ある程度パーソナライズされたおすすめ動画を確認できると考えられます。
アイデアを探して、そのまま動画制作にシームレスに移れるのがポイントです。複数の関係者に確認したい場合は一度ステッカー機能でメモを残しておくとよいでしょう。
③分析指標の活用:リテンションやスキップ率
これまで公開されているリールのアルゴリズムによると、透かしのないオリジナルコンテンツであり、ガイドラインに反していないものが優先されます。さらに、2025年1月にInstagram責任者であるAdam Mosseriの投稿によると、Instagramにおけるリールのアルゴリズムの重要な要素として「視聴時間」が挙げられています。
Editsで追加されたリテンションやスキップ率というインサイトを確認することで、継続視聴してもらえる動画コンテンツ作成に役立てていけそうです。たとえば、リテンション曲線がガクンと落ちるタイミングがあるなら、その直前に続きが気になるような内容を入れる、もしくは落ちる前にトランジションを入れて画面を切り替えて継続視聴を促す…といったことが考えられます。
これまで発表されているInstagramアルゴリズムやAdam Mosseriの投稿の日本語訳解説は以下のまとめ記事でも紹介しています。
参考記事:【最新】Instagramのアルゴリズムを理解しよう
よくある質問:Editsは商用利用できる?企業アカウントでの注意点は?
ここで、Editsに関するウワサや気になるポイントをQ&A形式でまとめます。
Q1.Editsは商用利用できる?
answer:EditsはInstagramの一部となっており、規約やガイドラインはInstagramと同じものが適用されています。
そのため、商用可能な音源は限られています。オリジナル音源やフリー音源、もしくはMetaが提供するサウンドコレクションから活用しましょう。
Q2.他の編集アプリ(CapCutなど)との違いや使い分けは?
answer:Edits活用のポイントとして、「高画質」「すかしがない」動画ダウンロードが可能なことが挙げられます。
他の編集アプリよりもシンプルで直感的に利用できるため活用しやすいユーザーが多いのではないでしょうか。(ただし、編集アプリ独自の機能を活用している場合は使いづらさを感じる方もいるようです)
Instagramリールを中心にショート動画を作りたい場合は活用を検討してみてはいかがでしょうか。
Q3.複数名ログインは可能?プロジェクトメンバーで活用できる?
answer:2025年4月開催のInstagram&Threads Master Class内Q&Aで、「複数名ログインは可能」と回答がありました。
ただし、アカウント紐付けによる利用となるためパスワード共有などを考えると企業アカウント支援のプロジェクトで利用することは現在のところ現実的ではありません。We Love Social編集部では、誤投稿などを避けるためにも複数名ログインは推奨できないと考えています。
今後の機能改善で利用しやすくなる可能性もあるため、新情報があればお知らせします。
まとめ:リール特化型アプリ「Edits」でPDCAを回そう
この記事ではInstagramが発表した動画編集アプリ「Edits」について解説してきました。
- 動画制作のアイデアやメモをまとめることができる
- 動画編集とInstagram/Facebookへの投稿ができる
- 動画の詳細なインサイトデータを使って分析できる
- 分析データをステッカーにメモして次の動画制作に活かしていくことができる
このような特徴から、Editsとは、リールに特化してPDCAを回してより良いコンテンツ作成をしていくことができるショート動画編集アプリといえそうです。
みなさんご存知のとおり、リール動画はまだフォロワーになっていないユーザーへのリーチに強みを持つコンテンツです。新規フォロワーを増やしたいとき、リールは非常に重要です。そんなリールを最大限に活用するために使っていける機能ではないでしょうか。ぜひ活用してみてください。
「重要なのはわかっていても、リール動画作成は難しい」「リソースやノウハウがないからお任せしたい」「Instagram広告やキャンペーン、他媒体との連携もしたい」という場合は、コムニコにご相談ください。
We Love Socialを運営する株式会社コムニコは、企業のInstagram運用のプロフェッショナル。Instagramがリリースされるよりも前、SNS黎明期である2008年に創業し、これまで2,600件*の企業SNS運用支援を行ってきました。(*2024年10月時点)
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2018年に株式会社コムニコへ入社。コンテンツクリエイターとして、企業・自治体のSNS企画・運用・コンテンツ制作を行う。コムニコが持つ知見を広めるために編集経験を活かして「We Love Social」運営・編集・記事執筆などのコンテンツマーケティングを担当。一般社団法人SNSエキスパート協会認定講師としてSNSに関する安全で正しい知識の啓蒙にも努めている。